バレエという習い事
バレエは、続けることで見えてくるものがあります
水泳には級、そろばんには級や段、空手には帯など、さまざまな習い事には「今どのくらいできるようになったのか」「次は何を目指すのか」という成長の目安があります。
では、バレエには……?
実はバレエにも、年齢や身体の成長に合わせた
「学びの段階」があります。
ただ、バレエはテストの点数や級の数字だけでは、成長を測ることができません。
昨日できなかったことが、今日は少しできるようになった。
以前より身体の使い方がきれいになった。
音楽を感じながら踊れるようになった。
難しいことにも、諦めずに挑戦できるようになった。
その一つひとつが、バレエにおける大切な「成長」です。
そしてバレエには、続けたからこそ分かる楽しさがあります。
今回は、それぞれのクラスでどのようなことを学び、どんなふうに次のステップへ進んでいくのか、簡単にご紹介します。
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[プレバレエクラス]
まずは「バレエが楽しい」という気持ちから
音楽に合わせて身体を動かし、スキップやツーステップ、ジャンプなど、さまざまな動きを楽しみます。
この時期は、眠たかったり、お腹が空いていたり、少し緊張していたり……その日の気分によって、なかなかレッスンに参加できないこともあります。
でも、それも決して無駄な時間ではありません。
先生やお友達、スタジオの雰囲気に少しずつ慣れ、安心して身体を動かせるようになることも、大切な成長の一つです。
「今日は踊れなかったからダメ」ではなく、
「今日はスタジオに来られた」ことも立派な一歩。
まずは「バレエって楽しい!」という気持ちを大切にしながら、少しずつバレエの世界に慣れていきます。
[キッズ①]
バレエの土台となる「基礎」を育てる時期
ここから、少しずつ本格的なバレエの基礎を学んでいきます。
手や足のポジション、身体の向き、姿勢など、バレエ特有の動きを一つひとつ丁寧に身につけていきます。
また、体重移動やバランス感覚、体幹、柔軟性など、踊るために必要な身体の使い方も少しずつ養っていきます。
この頃になると、
「姿勢がきれいになったね」
「立ち方が変わったね」
「身体が柔らかくなったね」
と、日常生活の中でも成長を感じられることがあります。
ただ、基礎練習は、同じことを何度も繰り返すこともあります。
一見すると、同じことをしているように見えるかもしれません。
けれど、この「繰り返す時間」が、後の美しい踊りをつくる大切な土台になります。
バレエは、基礎を積み重ねた分だけ、その先でできることが増えていく習い事です。
[キッズ②]
「できる」から「もっと踊りたい」へ
キッズ①で身につけた基礎をもとに、回転やジャンプなど、より高度なテクニックにも挑戦していきます。
キッズ①を「算数」に例えるなら、
キッズ②は「数学」
これまで覚えてきたことを組み合わせながら、少しずつ難しいことにも挑戦していきます。
この頃になると、楽しいことばかりではありません。
思うようにできない。
何度練習してもできない。
お友達はできるのに、自分はできない。
そんな経験も増えてきます。
そして、ここがバレエを続けるうえで、とても大切な時期でもあります。
「できないから辞める」のではなく、
「できないことが、できるようになるまで続けてみる」
何度も練習して、ある日ふとできるようになった瞬間。
そのときの喜びは、最初から簡単にできたときには味わえないものです。
「できた!」という小さな成功体験を一つずつ積み重ねることで、踊ることがますます楽しくなっていきます。
トウシューズを履くということ
バレエを習っているお子さまたちにとって、トウシューズは一つの大きな憧れかもしれません。
「早くトウシューズを履きたい!」
そう思う気持ちは、とても素敵なことです。
ただし、トウシューズは「履きたい」と思ったらすぐに履けるものではありません。
身体の成長、足の状態、筋力、バランス、そしてこれまで積み重ねてきた基礎技術などを見ながら、先生が安全に履けると判断した段階で許可を出します。
そのため、トウシューズを履くまでには時間がかかることがあります。
「まだ履けないの?」と思う時期があるかもしれません。
けれど、その時間は決して遠回りではありません。
トウシューズを履くために積み重ねてきた基礎こそが、その後の踊りを支えてくれます。
そして、待ちに待ったトウシューズを履いたとき、そこまで頑張ってきたからこそ感じられる喜びがあります。
「辞めたい」と思うときも、成長の途中
長く続けていると、誰でも一度くらいは「今日は行きたくない」「難しいから辞めたい」と思うことがあります。
特に、レッスン内容が難しくなってくる頃には、以前のような「楽しいだけのバレエ」ではなくなることもあります。
でも、それは決して「向いていない」ということではありません。
次のステップへ進んでいる証拠でもあります。
簡単なことだけをしている間は、できることが増えても、なかなか大きな壁には出会いません。
少し難しいことに挑戦するようになって初めて、
「できない」
↓
「練習する」
↓
「少しできる」
↓
「できた!」
という、本当の意味での成長を経験することができます。
だからこそ、もしお子さまが「辞めたい」と言ったときには、すぐに結論を出さず、少しだけ時間を置いて見守っていただけたらと思います。
その先に、今はまだ見えていない「楽しい」が待っているかもしれません。
続けた人にしか見えない景色
バレエは、短期間で結果が出る習い事ではありません。
一つのことができるようになるまで、何ヶ月も、時には何年もかかることもあります。
だからこそ、長く続けることには大きな意味があります。
小さな努力を積み重ねること。
できないことから逃げずに向き合うこと。
できるようになるまで諦めないこと。
その経験は、バレエだけでなく、これから先の人生の中でもきっと力になります。
そして何より、長く続けたからこそ出会える踊りがあります。
小さな身体で始めた子が、少しずつ身体も心も成長し、いつの間にか舞台の上で堂々と踊っている姿。
その姿を見ることは、私たち講師にとっても大きな喜びです。
「あのとき辞めなくてよかった」
いつかそう思ってもらえるように。
お子さまたちが一歩ずつ成長していく姿を、私たちも長く見守っていきたいと思っています。
保護者の皆さまにも、目の前の「できた・できない」だけではなく、その子なりの小さな成長を一緒に見つけていただけたら嬉しく思います。
バレエは、続けるほどに奥深く、そして楽しくなっていく習い事です。
焦らず、比べず、一歩ずつ。
これからも一緒に、お子さまたちの成長を見守っていきましょう。